木造住宅はシロアリに弱いの? その2

株式会社 原田工務店

2020年07月14日 12:00

語りの大井です。



ちょっと間があいてしまいましたが・・・
前回の「その1」の続きです。

まずは、シロアリ対策の代表といえば薬剤処理ですが、薬剤処理の一番の効果は、実はコロニーの弱体化であるということだと思います。

薬剤の種類によってはさまざまですが、シロアリの生態的に働きアリがコロニーに食べ物を運べなくなる=コロニーの個体数が減少し弱体化するということにつながります。
ただし、この対策だけではすでに住宅の本体部分までシロアリが達してしまっていると考えておく必要があります。やはり最終的な防御策だと考えるべきなのです。

それでは、その前にどういった対策が必要なのでしょうか?

例えば、基礎の通気工法ですが、工法自体を否定するわけではありませんが、保証を受けるためには、劣化等級2以上または木部の薬剤処理が義務付けられています。
劣化等級2では、ベタ基礎や防湿コンクリートまたは防湿シートが必要なため、基礎の通気を取ったから安心ということではなく、あくまでもシロアリが侵入しても被害が少なくすることや侵入自体を容易にできない構造にしなくてはなりません。
考え方とすれば、ベタ基礎にした時点でほぼリスクが軽減されているということだと考えています。

それでは原点に話を戻します。

ベタ基礎の時点でシロアリについては容易に侵入ができない構造になっていることから、よりベタ基礎の効果を向上してあげれば良いと考える必要があります。

私たちが基礎を一体打設にこだわることも、そういった側面があります。
打ち継ぎ部がないだけでリスクはかなり軽減されていきます。また、配管などの貫通部についても防蟻材入りの材料でしっかりとふさぐ施工をしています。
侵入を許してしまう箇所が明確であれば、その部分をしっかりと補強してあげることでリスクを抑えることができると考えるからです。

そして外部では、しっかりと土壌への薬剤処理を行うことで、薬剤の効果であるコロニーの弱体化をしっかりと図っていきます。
特徴のところで、シロアリはアリ道を作り悪条件を避けることができるとお伝えしましたが、アリ道を長く作るためにはやはり個体数が必要です。数千頭で作るアリ道と数十万頭で作るアリ道では、形成のスピードが違うこともいえます。

また基礎だけ考えれば、打ち継ぎの高さで侵入できてしまうのと、基礎の天端まで侵入できないということでは、時間差がかなりあることは容易にイメージできてしまうと思います。
私たちは当然、基礎と土台の境目にも防蟻材入りの材料をしっかりと充填しています。

では、シロアリ対策についてまとめていきます。

近年、住宅の基礎がベタ基礎になることで構造的にシロアリに強くなっていること
基礎の通気工法もこのベタ基礎をベースに保証は考えられていて、通気が取れている環境をシロアリは嫌うが、アリ道を作ることによってこの環境を避けることができること
ベタ基礎を採用することにより、進入路がかなり特定ができて対策が取りやすい状態になっていること
薬剤処理の効果は木部に達した働きアリが死滅することによって巣であるコロニーの弱体化すること

結論、遠まわりをしましたが、住宅に入りこむ前にしっかりとシロアリ対策を行うことが大事だと思います。
土壌処理をして近づいてきたときに対策ができる。
隙間から入ろうとした時に対策ができる。
万が一入ってしまっても進行を遅らせて定期点検で変化を見つけ対策する。

それが一番効果があることだと考えます。


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